思わず絵の前で立ち尽くしてしまうほど清らかな女性たち――その作品で今もなお人々を魅了してやまない、美人画家・上村松園(1875~1949)。彼女は生涯を費やして理想の美を追い求め、珠玉の作品を数多く生み出し続けました。
福田美術館では松園の生誕150年を記念し、質・量ともに国内有数の美人画コレクションを誇る当館の所蔵品から、28点もの松園の作品を一挙展示する「上村松園と美人画の軌跡」を開催します。第1回文展で3等賞を受賞した、初期画業における名作《長夜》のほか、初公開作品である《二軒茶や図》も見どころです。さらに、松園の芸術に憧憬し、美人画を追究した多くの作家たちの作品も併せて展示することで、「近代の美人画」というジャンルが辿ってきた軌跡を紹介します。